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■ローマ字表記について■

このページの目次
基本三方式     長音について     切るしるし
姓と名の表し方     よくある間違い
    注文書では


当店のギフト商品やウェルカムボードをご注文されるにあたって、商品に入れるお名前はローマ字で記載される場合が多いと思います。そんな折に、お名前によってはどう書くのか迷うケースもあることと思います。

このページでは代表的なローマ字の表記方式と注意点を名前の表示に限定して簡単にまとめてみました。参考にしていただければ幸いです。

商品はもちろんご希望により日本語 [漢字、ひらがな、カタカナ] でも製作いたしますよ。


ローマ字の書き方は、その表記方式が何種類かあるうえに、日本語の全ての表現を定義しきれていない面もあって混乱の基になっています。
特に、人名や地名についてのローマ字表記はきちんと決められた標準とか規格といったものがなく、みんな適当に場当たり的に書いている場合が多いようです。

人名や地名のローマ字表記でよく見かけるものとしては、プロ野球の選手のユニフォームに書いてある名前や、道路の案内標識に書いてある地名があります。これらは、だいたいは外務省式(パスポート式−後述)のように見えますが、完全に外務省式(パスポート式)に統一されているわけでもありません。

国際的な身分証明の意味を持つパスポートは無視することができませんが、外務省式(パスポート式)では長音が無視されるため、いろいろと不都合の生じることがあります。「大原(おおはら)」と「小原(おはら)」、「香坂(こうさか)」と「小坂(こさか)」、「飯島(いいじま)」と「伊島(いじま)」などローマ字表記上の同名が増えてしまいます。また、<GOTO>ですと「後藤」さんなのか「強盗」さんなのか区別がつきません。

こうした問題に突き当たったり、つづり方で迷ったりしたときに本章を参考にしてください。



基本三方式

ヘボン式 ヘボン(Dr. James Curtis Hepburn; 横浜にいたアメリカ人の眼科医)が和英辞典で用いた表記方式を、羅馬字會が修正して1885年(明治18年)に発表したものが原典。
日本式 『理学協会雑誌』(田中館愛橘、1885年(明治18年))で発表された方式。
つづりと発音の関係が英語に偏重したヘボン式に対し、音韻論を駆使して日本語固有の音韻構造にもとづく合理的なつづりとして発表したもの。訓令式の基礎となる。 
訓令式 ヘボン式と日本式の対立に決着をつけ、国際連盟からのローマ字つづり統一の要求にこたえるため、文部省が「臨時ローマ字調査会」を設置し、その結果できたのがこの表記方式。 「内閣訓令第三號」として昭和12年(1937年)に発行 。その後、昭和29年内閣告示で一部修正される。 

上記の三つが日本語のローマ字表記の基礎となる方式です。
「訓令式」は政府が発行した公的規格ですが、「ヘボン式」と「日本式」はローマ字運動の公益法人や個人が発表したものです。
しかし、三方式とも定義しきれていないあいまいな部分があり、強制力もありません。
この他に、これら定義しきれない部分を補完する形で様々な表記方式が考案されていますが、統一された形での公的規格には至っておらず混乱の基になっています。

ただ、唯一強制力を持つものとして下記の「外務省式(パスポート式)」があり、英語に近い表記方式であるヘボン式をベースにしていることもあってか、現在世間一般的にこの表記方式に則った表し方が多いように思われます。

外務省式 :
パスポート式
パスポート(旅券)の申請時、ローマ字の姓と名を記入するときの表記方式。外務省では、「ヘボン式から、長音をあらわすダイアクリティカルマーク(字上符)< ̄> をとりのぞいたもの」であるとしている。(長音は無視される) <> をとりのぞいたのはパスポートに印刷する活字上の問題から来る理由と思われる。
2000年4月1日から、「オ列長音」についてのみ、<H>をつかった長音の表記が認められるようになった。(「佐藤」を<SATOH>とする)


三方式の間で違いのある部分を赤色で示す
  日本式 訓令式 ヘボン式
あ行
 
か行
 
さ行
 
た行
 
な行
 
は行
 
ま行
 
や行
 
ら行
 
わ行
 
撥音
(ん)

a

i

u

e

o

ka

ki

ku

ke

ko

sa

si

su

se

so

ta

ti

tu

te

to

na

ni

nu

ne

no

ha

hi

hu

he

ho

ma

mi

mu

me

mo

ya

yu

yo

ra

ri

ru

re

ro

wa

wi

we

wo

n

a

i

u

e

o

ka

ki

ku

ke

ko

sa

si

su

se

so

ta

ti

tu

te

to

na

ni

nu

ne

no

ha

hi

hu

he

ho

ma

mi

mu

me

mo

ya

yu

yo

ra

ri

ru

re

ro

wa

o

n

a

i

u

e

o

ka

ki

ku

ke

ko

sa

shi

su

se

so

ta

chi

tsu

te

to

na

ni

nu

ne

no

ha

hi

fu

he

ho

ma

mi

mu

me

mo

ya

yu

yo

ra

ri

ru

re

ro

wa

o

n

(b,m,p の前はm)
が行
 
ざ行
 
だ行
 
ば行
 
ぱ行

ga

gi

gu

ge

go

za

zi

zu

ze

zo

da

di

du

de

do

ba

bi

bu

be

bo

pa

pi

pu

pe

po

ga

gi

gu

ge

go

za

zi

zu

ze

zo

da

zi

zu

de

do

ba

bi

bu

be

bo

pa

pi

pu

pe

po

ga

gi

gu

ge

go

za

ji

zu

ze

zo

da

ji

zu

de

do

ba

bi

bu

be

bo

pa

pi

pu

pe

po
きゃ行
 
しゃ行
 
ちゃ行
 
にゃ行
 
ひゃ行
 
みゃ行
 
りゃ行
 
ぎゃ行
 
じゃ行
 
ぢゃ行
 
びゃ行
 
ぴゃ行
 
きゃ
kya
きゅ
kyu
きょ
kyo
しゃ
sya
しゅ
syu
しょ
syo
ちゃ
tya
ちゅ
tyu
ちょ
tyo
にゃ
nya
にゅ
nyu
にょ
nyo
ひゃ
hya
ひゅ
hyu
ひょ
hyo
みゃ
mya
みゅ
myu
みょ
myo
りゃ
rya
りゅ
ryu
りょ
ryo
ぎゃ
gya
ぎゅ
gyu
ぎょ
gyo
じゃ
zya
じゅ
zyu
じょ
zyo
ぢゃ
dya
ぢゅ
dyu
ぢょ
dyo
びゃ
bya
びゅ
byu
びょ
byo
ぴゃ
pya
ぴゅ
pyu
ぴょ
pyo
きゃ
kya
きゅ
kyu
きょ
kyo
しゃ
sya
しゅ
syu
しょ
syo
ちゃ
tya
ちゅ
tyu
ちょ
tyo
にゃ
nya
にゅ
nyu
にょ
nyo
ひゃ
hya
ひゅ
hyu
ひょ
hyo
みゃ
mya
みゅ
myu
みょ
myo
りゃ
rya
りゅ
ryu
りょ
ryo
ぎゃ
gya
ぎゅ
gyu
ぎょ
gyo
じゃ
zya
じゅ
zyu
じょ
zyo
ぢゃ
zya
ぢゅ
zyu
ぢょ
zyo
びゃ
bya
びゅ
byu
びょ
byo
ぴゃ
pya
ぴゅ
pyu
ぴょ
pyo
きゃ
kya
きゅ
kyu
きょ
kyo
しゃ
sha
しゅ
shu
しょ
sho
ちゃ
cha
ちゅ
chu
ちょ
cho
にゃ
nya
にゅ
nyu
にょ
nyo
ひゃ
hya
ひゅ
hyu
ひょ
hyo
みゃ
mya
みゅ
myu
みょ
myo
りゃ
rya
りゅ
ryu
りょ
ryo
ぎゃ
gya
ぎゅ
gyu
ぎょ
gyo
じゃ
ja
じゅ
ju
じょ
jo
ぢゃ
ja
ぢゅ
ju
ぢょ
jo
びゃ
bya
びゅ
byu
びょ
byo
ぴゃ
pya
ぴゅ
pyu
ぴょ
pyo
促音
(っ)
 
長音
 
次の子音字を重ねる

  
母音字の上に
 
次の子音字を重ねる

  
母音字の上に
(昭和12年の内閣訓令では
次の子音字を重ねる
ただし c の前は t
 
母音字の上に
 
外務省式(パスポート式)では長音にダイアクリティカルマーク(字上符)を付けない



長音について

日本語のローマ字表記の公的な規格としては、長音の表記として全てダイアクリティカルマーク(字上符、「^」アクサンシルコンフレックス あるいは「 ̄」マクロン)を使うことになっています。しかし、「長音の表記」は、表記方式によってその書き表し方だけでなく、「なにを『長音』とするか」についての考え方の違いもあります。(詳細はここでは省略させていただきます。)

手書きのとき以外ではこれらのダイアクリティカルマーク(字上符)が付いた文字が使えないことがあり、そのようなときは何らかの代書法を使うことになります。
ダイアクリティカルマーク(字上符)を使わない長音の表し方としては次のようなものがあります。
(例は「おとうさん」の表記です。)

1. 省略 (例: otosan)
外務省式。パスポートで行われているやりかたです。
 
2. 「h」をつかう (例: otohsan)
日本のプロ野球選手のユニフォームに書かれている名前や、一部の非日本語話者むけの日本語テキストで用いられている方法です。パスポートでもオ列の長音に限り認められるようになりました。
 
3. 母音字を連続させる (例: otoosan)
訓令式の内閣告示で 「長音は母音字の上に ^ をつけて表わす。なお、大文字の場合は母音字を並べてもよい。 」 とあるのを、小文字の場合にも適用したものです。
 
4. カナの通に書く (例: otousan)
(社)日本ローマ字会の「99式」や、「海津式」での書き方です。
 
5. 「-」(ハイフン)を使う (例: oto-san)
日本人どうしの、ローマ字を使った日本語でのチャットなどでよく見かける方法です。カタカナの長音記号である「ー」を、形が似ているハイフンに置き換えたものでしょう。
 
6. 「x」を使う (例: otoxsan)
エスペラント(人工の国際共通語)でも「^」が字上符としてついた文字を使います。エスペラントでは、字上符つきの文字が使えないときは、このように「x」を使って書くことがあり、その応用です。

一般的には 1.〜4. のどれかで書き表されることが多いようです。
ただし、外務省式(パスポート式)では、オ列の長音以外では「h」を使うことを認めていないので「いい」(飯塚)、「うう」(優子)、「えい」(英子)などでは 2.の表示方法は使えません。外務省式にこだわらず、なおかつこれらを長音とみなすのであれば、<Ihzuka> <Yuhko> <Ehko> と書き表すことが間違いであるとはいえません。特に <Yuhko> のような使い方は結構されているようです。


切るしるし(アポストロフィー)

n の次に母音や y がくるときはローマ字の表記法に則って書き表せば間に「切るしるし」として「’」(アポストロフィー)を入れるのが正式です。

<例> 「けんいち」 Ken’iti または Ken’ichi (「けにち」と読み違えるのを防ぐため)
「しんや」 Sin’ya または Shin’ya (「しにゃ」と読み違えるのを防ぐため)

しかし、この例の場合「けにち」や「しにゃ」といった名前はまず無いため、「’」を入れずに書き表しても問題となることは少なく、一般的には「Kenichi」や「Shinya」とスマートに書き表されることが多いようです。
読み違いで問題の起きそうな名前の場合は「アポストロフィー」を考慮しましょう。

なお、「切るしるし」として旧訓令式では「-」(ハイフン)を使用していました。(訓令式も現在は「’」です)自主運用の観点からいえば、「-」で区切るのもひとつの方法かもしれません。



姓と名の表し方

従来、英語圏での姓名の表し方に合わせ、「名-姓」の順で表示することが多かったのですが、最近は本来の日本語の表示通り「姓-名」の順に書き表すことも多くなって来たようです。
現状ではどちらも使われていますが、文部科学省の国語審議会の2000年12月8日づけ答申でも日本人の姓名をローマ字で表記するときに、「姓-名」の順番でかくことをすすめており、今後は「姓-名」の形に移り変わっていくものと思われます。

  1. 原則として姓・名とも1文字目は必ず大文字にします。(全部大文字も可)
  2. 姓あるいは名を頭文字のみで表示する場合は「.」(ピリオド)を付けて省略形であることを明確にします。
  3. 英語式の敬称をつけるときは次のような接頭辞を付けます。
      Mr.  男性
      Ms. 女性(未婚、既婚を問わない)(ミスはMiss  ミセスはMrs.
[例]
 姓-名 (Mis.)Kimura Hanako (KIMURA HANAKO)
(Mis.)K.Hanako (K.HANAKO)
(Mis.)Kimura H. (KIMURA H.)
(Mis.)K.H.
 名-姓 (Mis.)Hanako Kimura (HANAKO KIMURA)
(Mis.)Hanako K. (HANAKO K.)
(Mis.)H.Kimura (H.KIMURA)
(Mis.)H.K.


よくある間違い

  正しい 間違い
日本式
訓令式
ヘボン式
じゃ じゅ じょ zya zyu zyo ja ju jo jya jyu jyo
ちゃ ちゅ ちょ tya tyu tyo cha chu cho cya cyu cyo
*っちゃ
*っちゅ
*っちょ
*ttya
*ttyu
*ttyo
*tcha
*tchu
*tcho
*ccha
*cchu
*ccho
(注1)
b, m, p の
前の「ん」
*nb-
*nm-
*np-
*mb-
*mm-
*mp-
<例> Namba
Homma
Shimpei
ヘボン式やパスポート式
の中での
*nb-
*nm-
*np-
(注2)
注1: ちゃ、ちゅ、ちょ を <cha> <chu> <cho> で表すヘボン式では c の前の促音(っ)は t で表すことになっています。
しかし、訓令式を定めた内閣告示において「国際的関係その他従来の慣例をにわかに改めがたい事情にある場合に限り、第2表(日本式やヘボン式のつづり方)に掲げたつづり方によつてもさしつかえない。」とあるのですが、促音のかきかたについては、「つまる音は、最初の子音字を重ねて表わす。」としかなく、これをたてにとれば <ccha> <cchu> <ccho> も間違いとは言い切れません。
注2: ヘボン式の流れをくむ英米規格では「 b, m, p の前も m ではなく n で表す」というのがあり、一概に間違いとはいえません。
日本語をローマ字で書き表す基準がイギリスやアメリカで規格化されているんです。
英国規格(BSI)、米国規格(ANSI−1994年に廃止)



注文書では

ギフト商品ではあまりいい加減なつづりで名前を記載したのでは、プレゼント先の方に失礼にあたることもありますのでご注意ください。
相手の方がどんなつづりを使っているのか確かめるのが一番良いと思いますが、少なくとも明らかなつづり間違いは避けるようにしましょう。
しかし、親しい方へのプレゼントなどジョークをからませてのご注文では故意にルールから外した表記をされることもあるかと思います。
商品に文字彫刻をする際には、本章に記載した表記方式に従っていなくてもお客様の意向を尊重いたします。(お客様が注文書に記入された表記に従って彫刻します 。)
ただし、明らかに間違いであると思われる場合にはメールで確認をとらせていただくこともあります。

商品にはご希望により長音のためのダイアクリティカルマーク(字上符)「^」(アクサンシルコンフレックス)や 「」(マクロン)もお付けします。
ダイアクリティカルマーク付きの文字(欧文記号)はEメール上で表示できないこともありますので、注文書に記入するときは下の例のように母音と一コマずらしてアクサンシルコンフレックスやマクロンを記入してください。商品にはちゃんと母音の上にお入れします。
(事前にEメールに添付した原稿をお送りして確認していただきます。)

<例>
注文書: Domoto Kotaro   (アクサンシルコンフレックス)は
かなの「へ」のキー
あるいは 和文の記号で入力
     
商 品: Do^moto Ko^taro^

   

注文書: Endo Yuko    ̄(マクロン)は和文の記号で入力
     
商 品: Endo ̄ Yu ̄ko    




本章をまとめるにあたり、海津知緒氏のホームページ「ローマ字相談室」 を参照/引用させていただきました。
(2001年5月1日参照)



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